「老後資金、2,000万円は必要です」
ニュースでそのフレーズを聞いた夜、私はキッチンで一人、声を出さずに泣きました。
45歳。
住宅ローンはあと25年。
子どもはまだ小学生。
親も最近、認知症の初期だと診断された。
そして、貯金は——
ぎりぎり、生活費の半年分。
「もう、無理やん」
夫が寝た後、台所の電気を消して、暗闇の中で、ただ呟いた言葉。
「間に合わへん。私たちの世代、もう間に合わへん。」
ちゃんとやってきたのに、なんで
私たち、就職氷河期世代って、ほんまにしんどかったんですよ。
大学を卒業した22歳の春、私が受けた会社の数は、たしか100社くらい。
内定が出たのは、1社だけ。
入った会社はブラックそのもの。
深夜3時に退社して、朝6時には次の現場へ。
体も心もボロボロで、それでも辞めたら次がない時代。
「ここで辞めたら終わり」
その恐怖だけで、何年も歯を食いしばった。
数年で限界がきて、転職。
2社目もブラック気味。
3社目で、ようやくまともな会社に入れた。
そこからは、必死で働きました。
結婚もして、子どもも生まれて、家も建てて——
気づいたら45歳。
会社では、上の世代はいつまで経っても辞めない。
下の世代は、私たちと違って売り手市場でラクラク入社して、ガンガン昇進していく。
「葵さん、もう若くないんだから、無理しないでくださいね」
——いつから私、若くなくなったんやろ。
ふと、自分のスマホで「氷河期世代 老後」って検索したら、出てくる出てくる。
「老後破産予備軍」
「消えた世代」
「忘れられた世代」
ああ、私たち、まだ40代やのに、もう終わった世代として語られてるんや。
それでも、私は決めた
泣いた次の日。
家族が出かけた静かな朝、私はテーブルの前に座って、ノートを開きました。
そして、書きました。
「私の人生、まだ終わってない。
報われないまま、終わらせたくない。」
これは、決意というより、怒りでした。
世代のせいにして、諦めて、ただ目を伏せて生きていく自分への、怒り。
「できることは、まだあるはずやろ」
そう、声に出して言いました。
——以前、このブログで 「お金で泣いた夜、私が捨てたもの。」 という記事を書きました。
あれは、お金への「恐怖」を手放した話でした。
今日は、その続き——「恐怖を手放した後、私が現実で何を始めたか」の話です。
私が、45歳から本気で始めた3つのこと
ファイナンシャルプランナーに相談したり、お金の本を読んだり。
最初は、何から手をつけたらいいか、まったくわからへんかった。
でも、いろんな本を読んで、専門家に話を聞いて、たどり着いた答えは、シンプルすぎるくらいシンプルでした。
① 家計の「漏れ」を全部、見える化した
最初にやったのは、家計簿アプリで全支出を3ヶ月、ただ見つめたこと。
そしたら、わかったんです。
月3万円くらい、よくわからん支出があった。
使ってないサブスク、なんとなくのコンビニ、惰性で続けてた習い事。
「節約」じゃない。棚卸しです。
気づいて、いるかいらないか、決めるだけ。
それで、月3万円浮きました。
② NISAで「未来の自分」に毎月送金を始めた
月3万円浮いたので、それを全部、NISAに入れた。
一気にやらない。
無理しない。
毎月コツコツ、世界中のインデックスファンドに少しずつ。
これは、25年後の自分への仕送りです。
③ 「もう一つの収入源」を作り始めた
会社の給料が頭打ちなのは、もう変えられない。
だったら——
「会社の外で、私の力で1円でも稼ぐ経験」を始めようと決めた。
ブログ、スキル販売、何でもいい。
最初の1円を作ることが、心理的に大きい。
これは、お金のためだけじゃない。
「私はまだ動ける」という、自分への信頼を取り戻す作業です。
1年経って、変わったこと
このシンプルな3つを、淡々と1年続けました。
そして、変わったこと。
- 貯金がゆっくり、でも確実に増え始めた
- 「もう間に合わへん」っていう焦りが、少しずつ薄れた
- 自分の人生を、自分でハンドル握ってる感覚が戻ってきた
お金が増えたこと以上に大きかったのは、最後の感覚です。
「私、まだやれる」
これを、自分の体感で取り戻したこと。
それが、何より大きかった。
もし「具体的に何から始めればいいんやろ」って迷っているなら、私が最初に読んで腑に落ちた本を紹介しておきます。氷河期世代の私たちにも、めっちゃわかりやすい一冊です。
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同じ世代の、あなたへ
もし今、あなたが私と同じように——
「老後2,000万円なんて、もう無理かもしれない」
「氷河期世代の私たちは、報われずに終わる世代なんかな」
って、夜中にこっそり泣いているなら。
伝えたいことが、一つだけあります。
まだ、間に合います。
40代後半からでも、いや、50代からでも。
私たちの世代は、ちゃんと耐えてきた世代です。
ちゃんと働いてきた世代です。
ちゃんと、生き抜いてきた世代です。
その「ちゃんと」を、今度は自分のために使ってもいいんです。
混乱の世の中、何とかみんなで生き抜きましょう。
気高く、明るく、いきましょう。
報われないまま、終わらせない。それは、自分で決めていい。

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